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OEM (オリジナルブランド)の 革漉き機とミシンのこと

漉き機 中国製 評判
一部、背景を消しています。中国製漉き機です。
別角度から。ロゴのデザインも、台湾のTAKINGとほぼ同じですが、中国製です。
別角度から。ロゴのデザインも、台湾のTAKINGとほぼ同じですが、中国製です。

 

海外製のミシンはどれも同じでしょうか。写真で見ると、外見はそっくりでも、構造は異なります。

最近、五助屋レザーさんや、t.kannoさんのブログを読みました、というお話を多くの方から聞き、私どもも拝読しました。

 

お二人から、ZIT TOOLSは信用できるとの評価と、過去に当店のミシン類をご購入いただいたお客様方からも、温かいメッセージを多くいただき、地道な努力が皆様に伝わっているのだと、報われる思いです。

 

同時に、ミシンを販売する側の立場から、高額な商品を購入し、使い物にならないと分かった時のお客様の気持ちを考えると、辛く、言葉になりません。

  

同様のご相談や、わかりにくいと困っている方が多いので、お客様からよくいただく疑問に、今回初めて文章にすることに致しました。

 

まず、日本国内で販売されているTAKINGの製品は、弊社のみが取り扱っており、「TAKING」の名前で販売しています。

しっかりと機械製造に取り組むメーカーと、その各国代理店は、常に商品の品質にこだわっています。アフターフォローも欠かせません。

 

では、メーカー品ではなく、OEM(オリジナルのブランド名での販売)で製造された中国製ミシンとはどういうものでしょうか。

 

通常、ミシンは例えば国内ですとJUKI、BROTHER、Nippyのように、台湾ではTAKINGのように、製造メーカー名を冠して商品を販売します。販売するのは、メーカーが信頼している各国の正規代理店です。

 

OEMは、中国に無数に存在するメーカー(メーカーでもなく、小さな工場の場合もあります)が製造したミシンを、輸入業者が輸入し、ミシン屋さんに卸します。そのミシンにオリジナルブランドのプレートを付けて販売する方法です。

 

●中国メーカー → 輸入業者 → 販売店    

●中国メーカー →アリババ のようなEC → 販売店    

 

この2通りが、よくあるパターンです。

上記のような図式で、分断されているので、メーカーとの信頼関係や、技術共有、保証制度や長期にわたる部品供給システムも構築できません。

 

原価が利益に直結するため、少しでも安く仕入れるために、場合によってはミシンの仕入れ先工場が変わったり、部品の手配ができない、という現象が起こります。その場合ミシンの性能も、構成部品も、変わります。

台湾製と記載があっても、部品はすべて中国製という場合もあります。

  

もちろん真面目に製品を製造している中国メーカーもあります。その場合、その中国メーカーは大手です。原価も含め、ショールームなど、様々な中間コストがどうしても高くなり、販売価格も国産ほどではないものの、ぐっと高くなる傾向があります。

 

当店は、大手メーカーに直結するという、非常に珍しい方式なので、国内外中間コストがありません。そのため、性能は一流ながら、価格を圧倒的に抑えられています。しかし原価はやはり高いので、販売価格は正直申し上げて、ぎりぎりです。

 

次に、具体例を挙げます。上記の写真の革漉き機は、上海のミシン展示会の一角で堂々と販売されていた、「TAKING」プレートがついたものです。白も黒も、腕ミシンもありました。台湾のTAKINGとはまったく関係ありませんが、ロゴデザインはそっくりです。中国の小さな工場が商標登録した、中国のTAKINGです。TAKINGは、海外での知名度が高いため、一瞬来場者の目を引きます。

 

しかし、塗装の質感と品質が違うので、すぐにわかります。火花カバーや、注油穴があるのも、台湾TAKINGとは異なります。 

日本でも販売されていますが、名前はまたプレートを交換しているので、TAKINGではなく、オリジナルブランド名へと変わります。(※このメーカーのものは、五助屋レザーさんで指摘されていた漉き機とは、また異なります。念のため。)

 

実物を並べてみると、各部品の厚み、加工精度など、すべて異なっているのがわかりますが、写真だとわかりずらいですね。

 

台湾TAKINGも、もちろんこの存在を知っており、対応に苦慮していますが、他の業界と同様、中国では商標権侵害への取り締まりもありません。

 

このようなミシンが、海外や日本に輸出された後、オリジナルブランドのプレートが取り付けられて販売されているのです。

オリジナルブランド=どこで製造されたものかわからない、ということが起こるのです。

 

世界のミシン市場で、例えば台湾のTAKINGといえば、業界関係者であれば誰でも知っています。オリジナルブランド名は、当然ですが通用しません。

 

OEMがすべて悪いと言っているわけではありません。ただ、製造メーカーの名前を冠した製品と、OEM品の大きな違いは、製品に対する責任と覚悟があるかどうかではないか、と考えます。

 

また機会を改めて、世界最大のミシン展示会であるCISMAの報告レポートも致します。

 

TAKING 漉き機
台湾TAKINGのTK-802BLです。剥がれやすいつるっとした光沢塗装ではありません。
革漉き機 TAKING
台湾TAKINGの漉き機はベアリングで主軸を受けているため、軸への注油が不要です。その為、注油穴がありません。